第一章

Fishermans Memoir #1

現在、東京都内で小さなIT系の会社を経営している。 そんな僕には、よく珍しいと言われる経歴がある。 遠洋マグロはえ縄漁船に乗っていたという経歴だ。 18歳で高校を卒業し、実家が運営するマグロはえ縄漁船に乗った。 この物語は、僕の18歳から28歳までの10年間の実話に基づいた物語である。
第一章

Fisherman’s Memoir#2

船は、太平洋のマーシャル諸島付近の漁場を目指し航行し、出港した日から3日目をむかえていた。僕は18歳になったばかりで、高校を卒業して5日で、まだ、船酔いは続いていた。 飯炊きを任され、5時半には起床し8人分の朝食を作らなければならない。 しかしその日、僕は船酔いせいで眠れず、寝坊をしてしまった。
第一章

Fisherman’s Memoir #3

マグロはえ縄漁船、漁師一年生の僕の船での生活パターンはこんな感じ。 朝6時起床。 まずはコップ一杯の水を飲んで、タバコを吸う。 そして、歯お磨きをした後、またタバコを吸いながら目覚めのコーヒーを飲む。 この習慣は今でも変わらない。  一連のルーティンの後、8人分の朝ごはんの調理を開始する。
第一章

Fisherman’s Memoir #4

僕は、ただじっと月明かりに照らされ、海面は鏡のように穏やかで月が反射している。 そんな海を、僕はただじっと見つめていた。 そんな時、右舷側の海面が“キラリ”と光った。 「ん?遭難信号か何かか?」と思い、双眼鏡を使い光った方向を見たが何も見当たらない。 しかし、万が一の事もある。 双眼鏡を持って外に出てブリッジの上に登り、双眼鏡で光った方向を確認した。 何も見えない。 左舷11時の方向には、巨大な満月が出ている。 改めて光った方向を双眼鏡で確認したが、何も見えなかった。 海面に月が写っていてとても綺麗だったので、僕は船が切り裂く風の音と月明かりを楽しみたくなって海面を眺めていた。 すると! 月の真下あたりにキラ!キラ!キラ!と三連続で光った。
第一章

Fisherman’s Memoir #5

遠洋マグロ漁船に乗った10年の物語 海の黒いダイヤ 季節は中秋を向かえた11月、日本近海での本マグロのシーズンを迎えた。ついに荒れ狂う東沖(ひがしおき)に、出漁する時期がやってきた。東沖とは、日本の東側にあたる三陸沖から北海道...
第一章

Fisherman’s Memoir #6

遠洋マグロ漁船に乗った10年の物語 諍いの海 船が港から外洋に出ると船は揺れだした。マグロ船特有のローリング&ピッチングだ。まさる君はその揺れに逆らいながら、他の船員とは逆方向に体重移動をし船の揺れに抵抗しているように見えた。...
第一章

Fisherman’s Memoir #7

遠洋マグロ漁船に乗った10年の物語 成長の海 グァム島から出港し、漁場までは5昼夜程度で到着する。グァム島に入港し色々な人と会い過ごしている間、僕は得体の知れない違和感の様な感覚をずっと感じていた。ジュリアと出会ったことで、そ...
第一章

Fisherman’s Memoir #8

遠洋マグロ漁船に乗った10年の物語 若気の海 その航海も満船となり、船はグァム島に入港した。今回はグァム島での水揚げだ。船が接岸するグァム島のコマーシャルポートは、グァム島の国際港であり外国船籍の入港するため、周囲2km四方を...
第一章

Fisherman’s Memoir #9

遠洋マグロ漁船に乗った10年の物語 惜別の海 その後、グァム島に3度水揚げをして、船は故郷の港に帰港した。故郷の港に接岸する時、一番綱を陸で受け取るのは必ず船の親方である祖父だった。そして、その一番綱を岸壁で待つ祖父に向かって...
第一章

Fisherman’s Memoir #10

遠洋マグロ漁船に乗った10年の物語 受難の海 1991年12月。船は、グァム島を出港してから東南東に進路をとり5日目に操業を開始した。怪物君が下船したため、船員は船頭を含む合計8名での航海だった。僕の乗っていた船と一緒に、同じ...
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